妊娠中にはお金ないのが不安になり、どうしたら良いか途方に暮れてしまうことがあります。
妊娠や出産にはお金が必要なので、できる対処をしていくことが大切です。
この記事ではお金がなくて困る原因と対策を紹介します。
お金がなくて生活費が足りない場合はどうする?原因とお金に困らないための家計の対処法妊娠中にお金がない不安でストレスが溜まる原因
共働きができなくなって世帯年収が減る
妊娠すると、共働きだった家庭では妻が働けなくなって世帯年収が減ることが考えられます。
妊娠初期であれば働ける場合がほとんどですが、後期になると仕事をするのがつらくなりがちです。
また、出産直前、直後は働くことができず、その後も育児で働くのが難しい状況が続きます。
もともと夫婦二人の収入で生活をしてきた家庭では、妊娠によって妻の収入がなくなる、あるいは減ることで家計の不安が出てきます。
夫の給料だけでは生活が難しい
夫の給料だけで生活を支えられる状況ではないのが明らかな場合は、さらに不安が大きくなります。
妻がもともと定職についていて、家計の大半を支えていたケースもあるでしょう。
夫が無職だったら収入がゼロになるので、妻が妊娠するとお金がない生活を送らざるを得ません。
夫が薄給で生計を立てることが難しかったり、定職についていなくていつ収入がなくなるかわからなかったりする場合にも、妊娠すると不安が募るようになります。
シングルマザーで働けないと収入がなくなる
パートナーと別れたシングルマザーの場合にはお金の不安が深刻です。
シングルマザーが妊娠して働けなくなったら収入がなくなってしまうのは明らかだからです。
妊娠してから離婚したり、夫が病気や交通事故で亡くなったりした場合に起こり得るケースです。
新しい彼氏と出会って結婚前に妊娠してしまったというケースなら、結婚して夫に稼いでもらうこともできるかもしれません。
しかし、結婚できなかった場合には今後の生活が不安になります。
妊娠前の検査や不妊治療の負担がある
妊娠前に検査費用や治療費用の負担があってお金がない状況に陥ることもあります。
妊活をしていてなかなか子宝に恵まれず、不妊治療をするケースもあるでしょう。
不妊治療の内容によっては莫大な費用がかかります。
妊娠や出産の費用を準備していたとしても検査や寮に使ってしまい、預貯金がなくなることもあります。
もともと準備をしていたという背景もあるため、いざ妊娠したときにお金がないと大きな不安に駆られがちです。
予定していなかった妊娠でお金の準備がなかった
計画的に子供を生もうと考えている夫婦の場合には、妊娠前に必要な資金を準備していることが多いでしょう。
しかし、予定していなかったタイミングで妊娠してしまうケースもあります。
予定外の妊娠でお金の準備が整っていないと慌ててしまうでしょう。
預貯金が十分にある、夫の収入が当面は問題ないということがわかれば安心できます。
しかし、どちらも不安がある状況の場合には、妊娠した時点でこれからどうすべきか頭を抱えてしまいがちです。
妊娠・出産で必要になる費用の種類
妊娠前検査の費用
妊娠する前の段階で妊娠前検査をすることがよくあります。
妊娠・出産をより良い形で進められるようにするために任意検査です。
女性の子宮や卵巣などの形状や健康状態、妊娠のしやすさや胎児への影響を与えやすい感染症の有無などを確認します。
ブライダルチェックやプレコンセプションケア、不妊治療や出生前診断とも言われている検査です。
内容によってかかる費用に違いがありますが、検査だけで2万円~3万円の負担があります。
妊娠・出産の入院費
妊娠してから出産するまで、入院すると日数に応じて費用がかかります。
妊娠中に具合が悪くなって入院する場合もありますが、分娩の前後には入院することになるので必ずかかる費用です。
入院費は施設ごとに異なっています。
病院では15万円程度、クリニックや助産院では8万円程度です。
入院しなければならなかった日数だけでなく、入院する部屋の種類や依頼するサービスの内容などによって入院費が変わります。
分娩にかかる費用
分娩費用は出産のときに必ず負担しなければなりません。
自然分娩か帝王切開か、無痛分娩などの特別な対応を依頼するかによって費用が変わります。
一般的な自然分娩の場合には平均的には50万円程度です。
ただ、帝王切開の場合には追加で手術費用がかかります。
帝王切開では医療費が20万円程度で自己負担は6万円~7万円くらいです。
無痛分娩を希望するときにも6万円~15万円くらいの追加費用がかかります。
赤ちゃん用品
出産に合わせて赤ちゃん用品を準備する必要があります。
衣類やおむつ、ベビー用の布団・ベッドなどの生活や身の回りのアイテムだけではありません。
ミルク用品やベビーカーなども必要なので、細々とした出費がたくさんあります。
自家用車があるなら車用のベビーシートも必要になる場合があるでしょう。
トータルでは赤ちゃん用品で10万円~15万円くらいがかかります。
紙おむつのような消耗品は継続的にお金がかかるので注意しましょう。
マタニティー用品
妊娠したときから産前産後までずっと必要になるのがマタニティー用品です。
妊娠後期にお腹が目立たないようにデザインされたマタニティウェアや、妊娠中も眠りやすくするマタニティパジャマの他、妊娠線予防グッズや抱き枕、クッションなどもあります。
マタニティー用品にいくらかかるかは、どのくらい母体をケアしたいかによって違います。
一般的には5万円前後で済ませている傾向がありますが、丁寧にケアをするなら10万円くらいは必要です。
妊娠中・出産時に利用できる給付金・補助金・助成金の制度
妊婦検診費の助成金
妊婦検診費の助成金は市区町村などの地方自治体によって実施されている助成金制度です。
妊婦検診の費用の一部を支給してもらうことができます。
妊婦検診費は妊娠してから14週間にわたって必要になる費用なので、申請して支給してもらうのがおすすめです。
地域によって対象になる検査内容や金額、支給時期などは違いがあります。
補助券が発行されたり、償還払いをしたりする仕組みのことが多いので詳細は各自治体のホームページで確認しましょう。
妊婦検診助成金とは? [子育て支援制度] All About
出産費貸付制度
出産費貸付制度は健康保険組合によって提供されている貸付サービスです。
後述の出産育児一時金の支給が見込まれる人のうちで、出産時期が近づいている人を対象にお金を貸してくれる仕組みになっています。
出産育児一時金として見込まれる金額の8割を上限にして無利息で貸付を受けることが可能です。
1万円単位で上限額までなら自由に金額を設定して借りられるので、分娩費用の負担が大きくて払えないときには必要額を借りると良いでしょう。
出産育児一時金
出産育児一時金は出産のときに健康保険組合から受給できます。
出産育児一時金は42万円(産科医療補償制度未加入の分娩機関では40.8万円)を上限として支給してもらえます。
支給方法は直接支払制度と受取代理制度の二種類があり、希望する方を選ぶことが可能です。
直接支払制度では医療機関が出産育児一時金の請求と受取をしてくれるので手続きが簡単です。
受取代理制度の場合には自分で申請をして、医療機関に代理で受け取ってもらう形になります。
出産手当金
出産手当金は健康保険の被保険者が出産のために会社を休まなければならず、給料を受け取れない場合に受給できます。
支給してもらえる期間は出産の42日前から出産後56日間です。
出産手当金の支給額は会社の月給を日割りした金額の3分の2相当額になります。
休職中でも会社から月額報酬の3分の2以上の給料の支払いがある場合には受給できませんが、不足分がある場合には差額を出産手当金として受け取ることが可能です。
出産手当金とは?いつから・どれくらいもらえるの? – 太陽生命
育児休業給付金
育児休業給付金は、雇用保険の被保険者が子供を育てるために育児休業を取得した場合に支給されます。
育児休業給付金では育休を取得してから180日目まではもともとの給料の67%、181日目以降は50%を原則として支給してもらえます。
ただし、育児休業中も給料の支給がある場合には減額され、給料と給付金の合計額がもともとの給料の80%になる金額が上限になります。
1年間が一般的には上限ですが、条件を満たせば最長で2年間の給付を受けることが可能です。
育休手当(育児休業給付金)って?いつからいつまで、いくらもらえる? – 太陽生命
高額療養費
高額療養費は妊娠や出産のときに必要になった医療費について、一ヶ月の自己負担額が限度額を超えたときに払い戻しを受けられる制度です。
自己負担限度額は年齢と所得状況によって定められていて、収入が少ない場合には35,400円になっています。
限度額を超えた分の支払いは必要ですが、申請をすれば払い戻してもらえます。
同じ医療機関に支払った合計額で計算するため、複数の医療機関にかかった場合には別計算をする必要があります。
高額な医療費を支払ったとき(高額療養費) | こんな時に健保 | 全国健康保険協会
医療費控除
医療費控除は年間の医療費の支払いが10万円または所得の5%以上になった場合に、上限額を超えた分を還付してもらえる制度です。
医療費控除の対象になる費用は妊娠や出産にかかったものだけでなく、風邪の治療をしたときなども含めることができます。
妊婦検診や入院費、分娩費だけでなく、不妊治療費や通院や入退院のときの交通費なども含めることが可能です。
確定申告をすれば医療費控除を適用できるので忘れずに申告しましょう。
傷病手当金
傷病手当金は働いている人が医師に労務不能と判断された場合に健康保険から支給してもらえる手当金です。
妊娠中には妊娠悪阻や切迫早産などによって緊急入院することもあります。
連続する3日間を含む4日以上、仕事に就けなかったときに、医師が認めれば受給できます。
傷病手当金の金額は月額報酬の日割りを計算した金額の3分の2です。
病気や怪我の場合にも利用できるので、妊娠と直接かかわりがないときでも申請しましょう。
妊娠中にお金がない不安を解消するには
夫婦で対策を考える
妊娠中にお金がない不安は、まず夫婦で考えて対策を立てるのが大切です。
夫が働いていないのならすぐに就職活動を始めて、仕事に就くようにしましょう。
夫が働けない理由がある場合には、稼ぐ手段を一緒に考えるのが大切です。
妊娠している妻も働ける範囲内で働き、夫がそれを支えるようにするといった対応策もあります。
助成金制度や借り入れなどの利用も含めて、じっくりと時間をかけて協議するのが大切です。
それぞれの両親に相談する
妊娠中にお金がなくて苦労することは、両親がよく理解してくれているでしょう。
夫婦がそれぞれの両親に相談してみるのも良い方法です。
老後になって経済的に苦しくなっていると支援をしてもらうのは難しいかもしれませんが、預貯金がある場合には一時的な分娩費用などを貸してもらえることもよくあります。
理解を得るためにも経済事情をきちんと説明して、「必ず返す!」という約束をしてからお金を借りるようにしましょう。
カードローンの審査を受けておく
妊娠して仕事ができなくなる前にカードローンの審査を受けておくのも不安を解消するのに有効な方法です。
銀行や消費者金融のカードローンは審査を受けてカードを発行してもらうだけなら無料です。
カードがあればいつでも上限額の範囲内でお金を借りることができます。
カードローンは使途が自由なので、妊娠や出産にかかわる費用に全般的使うことが可能です。
クレジットカードのキャッシング枠を付けておく
クレジットカードのキャッシング枠があればATMでいつでもお金を借りられます。
働いていて安定した収入があればキャッシング枠を付けられることが多いので、枠を作っておきましょう。
クレジットカードを持っていない場合にも新規発行の時点でキャッシング枠を付けられます。
キャッシング枠は申請すれば増枠できることもあるので、既に持っている人も増枠の審査を受けておくのがおすすめです。
妊娠中にお金がない不安を減らす対策
- 家計簿で資金管理をして節約する
- フリマアプリで不用品を売却する
- クラウドサービスで在宅ワークをする
- アンケートサイトやポイントサイトで地道に稼ぐ
- アフィリエイトを活用する
- ハンドメイドなどをネットショップ・アプリで販売する
- 会社の育休制度や支援制度を確認して利用する
家計簿で資金管理をして節約する
お金がない不安を減らすには家計管理を徹底するのが大切です。
家計簿をつけて資金管理をしましょう。
収入が乏しくなったとしても、支出を減らせばうまく生活していける可能性が十分にあります。
スマートフォンやインターネットの契約などの固定費の見直しをすることで大きな節約になることがよくあります。
無駄な出費がないかどうかも詳しく見る習慣を作って、可能なところから少しずつ節約して支出を減らしていきましょう。
フリマアプリで不用品を売却する
一時的にお金を手に入れて不安をなくすには不用品を売却するのが効果的です。
使わなくなった服や靴、アクセサリーや玩具、ゲームなどの趣味のアイテムはフリマアプリで簡単に売却できます。
リサイクルショップなどの買取店で売却することもできますが、フリマアプリなら個人間取引なので高く売れるチャンスがあります。
買取店では取り扱ってくれない品物でも売れることがあるため、しまい込んでいた不用品を出品してしまいましょう。
クラウドサービスで在宅ワークをする
会社に行って仕事をするのが難しかったとしても、できる範囲で在宅ワークをして稼ぐことはできるでしょう。
クラウドサービスなら自分にできる仕事を探して気軽に請け負うことが可能です。
商品やサービスの口コミを投稿するだけで報酬をもらえるような簡単な仕事もあります。
ITやデザインなどのスキルがある人は高単価の仕事を請け負って稼ぐこともできるので、どのような仕事があるかを見てみるのがおすすめです。
アンケートサイトやポイントサイトで地道に稼ぐ
アンケートサイトやポイントサイトでポイントを稼ぎ、現金や電子マネーなどに交換するのも不安解消の役に立ちます。
アンケートに答えるだけなら妊娠中でもできるタイミングが多いでしょう。
一つのアンケートで数円から数百円くらいの収入になります。
ポイントサイトでは広告クリックやゲームプレイなどで数円程度ずつ稼ぐことが可能です。
クレジットカードの発行などのサービス利用では数千円くらいの収入になることもあります。
アフィリエイトを活用する
ブログを書いてアフィリエイト収入を得るのも在宅でできる稼ぎ方の一つです。
商品やサービスの宣伝になるブログ記事を書いて、広告を設置するだけなので書き物が得意な人なら簡単に始められます。
コピーライティングの知識があると有利ですが、妊娠生活の中で使ったサプリメントの体験記でも興味関心を持ってくれる人がたくさんいるでしょう。
アフィリエイトは継続的に収入を得られる可能性があるのも魅力です。
ハンドメイドなどをネットショップ・アプリで販売する
ハンドメイドなどの手作りの商品を作れる人は、余裕のあるときに制作して販売すればコツコツと稼げます。
アクセサリーやインテリアグッズなどのハンドメイド品は人気が伸びているので、得意な商品を作って販売してみましょう。
ハンドメイドの販売例が多いBASE(ベイス)やCreema(クリーマ)などの簡単にネットショップを作れるアプリで販売するのがおすすめです。
人気が出ると安定した収入源になるので不安を解消できます。
会社の育休制度や支援制度を確認して利用する
会社の育休制度や出産・育児にかかわる支援制度を確認してみるのも大切です。
育休中は給料がゼロになることが多いですが、育休を取得しても給料がそのまま支払われるケースもあります。
育休でも3分の2や2分の1程度の給料が支払われることもあるので制度を確認してみましょう。
また、会社によっては出産祝い金や子供手当などの支援制度がある場合もあります。
申請すれば手当をもらえるので詳細を調べて忘れずに受け取りましょう。
まとめ
妊娠中にお金がないのは大きな不安やストレスになりますが、対策することは可能です。
助成金や給付金を活用したり、お金を一時的にでも工面できる方法を考えたりしましょう。
前向きな気持ちで出産を迎えられるようにするのが大切です。